fとp


f(フォルテ)とp(ピアノ)、強弱について。

フォルテは強く、ピアノは弱く、そんな風に説明されますが、少し注意が必要だと思っています。

弱くといっても気持ちが弱くならないようにして下さい。
心のフォルテだと表現されることもあります。大きな気持ちがあるのにそれをぐっと心の奥底でこらえる、外に素直に出さない。

そんな気持ちがあるのに、弱かったり、弱々しい音ではどうでしょう?正しく伝わらないと思います。
囁くこともあります。小さくても遠くまで届く音が必要でもあります。細いピンと張られた糸のような音の時もあります。
決して弱くはないと思います。

そしてフォルテ。
こちらも気を付けて考えて下さい。
強くと言われても決して乱暴な音にならないように。叩いて弾いてしまうのは絶対に違います。
それはただの痛い音、乱暴な音。

どうすればフォルテになるのでしょうか。
大きいとイメージしてみて下さい。
豊かに広がっていく音。力強く前進するような音。包み込まれるような音。
打鍵のスピード、腕の重さ、背筋、体全体を使います。

そして音楽の強弱は数値で測れるものではありません。
車の走る音と川の流れる音。どちらも同じ音の大きさなのだそうです。
でも印象はまるで違いますね。川の流れる音はいつまでも聴いていられますが...

ピアノと感じてもらえるように弾けばピアノに、フォルテと感じてもらえるように弾けばフォルテなのです。まず気持ちが大事。
その音楽やフレーズが何を伝えようとしているのかを考えて、それを音にしていきましょう。

それにしても音楽は難しい。
なにしろ静寂ですら音で表現しなければいけないのですから。
でも、だから奥が深くて楽しい、愛すべきものです。


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