ピアノの基本


ピアノの基本、実はこれ、今でも悩んでいることです。

ピアノ初心者の方、特に大人の方に「基本から教えて下さい」とおっしゃる方がいらっしゃいます。ですがピアノの基本、これをやったら基本が身に付きます、という明確なことはいまだに見えていません。バイエル?違うかな...ハノン?それも違う...スポーツなら構え、フォーム、基本の動き、なんとなく基本があるのはわかります。ですがピアノは...

ごめんなさい、いつも曖昧になってしまって。

ですが、難しそうなところでも楽に、少しでも弾きやすく、根性で練習しなくて済むように(笑)、という思いでレッスンしています。

例えば指の動かし方。指を丸めて鍵盤に置いて第二関節から上げたり(指先が第一関節です)ひっかくように曲げたり、これはダメです。第二関節を動かす使い方はとても効率が悪いのです。昔よくされていた弾き方ですね。(私も幼かりし頃そう教わっていまして、大変でしたが直しました^_^;)

鍵盤は一番手前で約1㎝沈むのですが、弾いた後鍵盤が元の高さに戻るには第二関節も1㎝上げなくてはなりません。これ、結構大変です。

ではどう使うのかというと、まず手の置き方。手や腕の全ての力を抜いて腕を下します。それから二の腕でふわっと腕を上げるようにしてそのまま鍵盤にそっと置きます。その時手の形はどうなっているでしょう?やわらかなアーチを描いているはずです。動かすのは指の付け根から。そこで動かすとほんの少しの意識でも指先はしっかり上下してくれます。それこそ省エネで弾けます。そこから、手の形を変えたり打鍵の速さを変えたりして多彩な音色を繰り出していくのです。

でもこれ、シンプルすぎてかえって難しいみたいです。曲を弾きながらだと余計に。ただこればかり練習していたら飽きてしまいますね。あとあととても重要になってくるので、早い段階で出来るようになってもらいたい気持ちを抑えつつ時々思い出してもらうようにしています。

ピアノは鍵盤を下げたら誰でも音が出せてしまう楽器です。他の楽器はそうはいきません。音を簡単に出せてしまうからこその難しさがあります。

基本についてはこれからも悩むと思いますが、皆さんには一曲一曲丁寧に愛情を持って弾いてもらいたいと思っています。


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